はじめに
Azure OpenAI Serviceのシステム構築の入門書(ドーナッツ本)が出版されるということで献本を頂いたので書評していきたいと思います。
ほぼMicrosoft社員が著者ですが公式本ではないです。それにしてもメンバーが豪華です。
本書の構成
第1章から10章まであります。特にプロンプトエンジニアリング、RAG、Copilotの内容が個人的に気に入っています。
- 第1章 生成AIとChatGPT
- 第2章 プロンプトエンジニアリング
- 第3章 Azure OpenAI Service
- 第4章 RAGの概要と設計
- 第5章 RAGの実装と評価
- 第6章 AIオーケストレーション
- 第7章 基盤モデルとAIインフラストラクチャ
- 第8章 Copilotフロントエンド
- 第9章 ガバナンス
- 第10章 責任あるAI
本書は、基本的な知識から始まり、複数のアーキテクチャサンプルが用意されているため、読者は実際に手を動かして実践することが可能です。これにより、単に読んで終わるのではなく、しっかりとした知識を身に付けることができる入門書としての最適な書籍だと思います。実践的な演習を通じて、理論だけでなく実際の応用も学べるため、読者はより深く、実用的な理解を深めることができます。実際に技術を習得し、活用するための実践的なガイドとして非常に役立ちます。
読んでみて
本書は、Azure Portalの操作画面も多いため初心者向けで直感的に読み進めることができます。しかし、ベクトル検索などの専門的な内容も含まれており、Azure OpenAIを始めたい初心者にとってはやや高度な部分もあります。あとAzure OpenAI以外のAzureサービスが多く出てきます、ある程度はAzureを触っている人の方が読みやすいかと思います。
実用的なサンプルが豊富に含まれているため、まずはサンプルを実際に試してみたい方には捗る内容です。
私自身もこの書籍を読むことで、RAGに関する部分が多く非常にまとまっているため再入門することができました。これまでの独学での学んだことを補完し、用語についての再確認ができる、辞書のように使える資料としても価値があります。
この本は、インフラに関する話題だけでなく、開発者の視点からも読むことができます。また、エンジニアでない人でも、最新のトレンドを理解するため、用語を確認するには良い本だと感じました。
実際、私は約2日で読み終えることができました。実際に手を動かして実践する場合には、およそ1週間程度かかるかもしれません。二周目はサンプルを動かしながら進めたいと思います。
さいごに
本書は入門書をうたっていいるものの、幅広いユーザーが読むこのできる本だと思います。現状、ここまでAOAIについてまとまっている本は無いかと思います。
駆け足での紹介でしたが、一言でいうと買って損はない本だと思います。「とりあえず買っておくべし」と。
あと読んでいてとても気になったことがありました。武将とか城とかの話題が多く出ていましたが誰の趣味なのだろうかと。